修繕費と資本的支出 フロチャートの使い方 パート2

Q: 資本的支出と修繕費の区分にこだわるのは、いったいどうしてなのでしょうか。

A: 私たちは、修繕費と資本的支出の区分という視点で、今期にいくら修繕費として落とせるのか!                                      を最初に考えます。もっと言えば、当たり前に考えてしまうようになっております。

どうしてかというと、修繕費なら、今期あるいは今年に全額損金あるいは経費になり、その分だけ節税対策が出来るからです。   支払った金額の全部が経費に出来ない場合、経費に出来ない分は利益となって、その分、税金が増えてしまうからです。

納税者としては、全額経費となった方が税金は低く抑えられるのです。                                                                            また、低く抑えられた分だけ資金が手元に残るのです。

建物や倉庫、工場など建設するためには、建設業者が建設工事を行い、建設し、あるいは、中古の物件の購入、後日、修繕を行うこととなります。その場合、基本的には建設業の許可を受けた会社がその修繕に当たります。

私たちの国は災害も多く、地震も多いため、必ず建設業者が関わってきます。

「建設工事一式」と私たちは一言で済ませてしましますが、建設工事の種類は建設業法で、2つの一式工事と27種類の専門工事に分けられます。

その工事の種類に応じた建設業の業種ごとに許可を受けることとなっています。

つまり、29種類あるのですが、29番目は解体工事業となります。

建物を一棟建てる、建築一式工事といっても、大工工事、型枠工事、左官工事、屋根工事、内装工事、外構工事、冷暖房設備工事、タイル・れんが・ブロック工事、防水工事、塗装工事、ガラス加工取付工事など、多くの工事業者が関わって、建物を建てていきます。

一つの工事が終わらないと次の工事には進めません。                                              つまり、工事の中身を知らないと、「資本的支出」「修繕費」ということはわからないのではないでしょうか?

全体が建物あるいは構築物などというくくりで減価償却資産を構成しますが、その後、使用する中ですぐに発生する修繕、数年後に発生する修繕があります。あるいは、使い方によって、その都度、手直しが必要になったりする修繕も出てきます。

これらを「資本的支出」か、あるいは「修繕費」か、上記の建設業のまったく知識もないのに税務知識だけで果たしてわかるのでしょうか。わからないとすれば、最低限どのような知識を付けたらよいか、またどのような書類を業者に作成協力してもらい税務署に対して証拠として残すべきか。と考えませんか?

何らかの形で建物や工場、倉庫に関わる工事が必要となるため、その工事が税務上でいう「資本的支出」に当たるのか「修繕費」に当たるのかは大きな問題となってくるのです。

上記でも記載した通り、節税対策や資金繰り等の視点もそうですが、経営という視点からは、改良や修繕等に投資した資金が、早く損金あるいは経費になること、言い換えれば、投下資金の早期回収が願われるのです。そのように投資した資金を早めに損金(経費)にしたい企業と、減価償却をいう方法で、支払った段階で全額を損金(経費)にするのではなく一定期間で損金(経費)にして税収をなるべく減少させたくない税務署や国税(課税庁)との考え方は決して同じにはなりません。 だからこそ、法令に沿った解釈と処理が必要になるのです。

これが、資本的支出と修繕費の区分にこだわる理由になります。

だからこそ、フロチャートを安易に使用することはお勧め致しません。

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